いろんな思いが溢れてきてポロポロと涙がこぼれた。
「く、久美ちゃん。ごめん、からかったわけじゃなくて、ただ心配だったんだ………ごめん」
常木さんは切羽詰まった表情で私の涙を指で拭う。
「僕だって久美ちゃんのことが愛おしくてたまらないんだ。大好きだから。
本当は真也くんには帰って欲しいくらいなんだけれど。
そんなことしたら久美ちゃんはよく思わないでしょ」
「そうだね……」
「ねえ久美ちゃん。僕の言ってること、ちゃんと伝わってる?」
───わかってる、ちゃんと分かってるから。
私の好きと常木さんが言う好きは全然違う。
おんなじ好きなのに、天地の差がある。
妹のように慕ってくれているのだろうと察しがつくし、今だって慰めてくれているのは小さい子を泣かした故の罪悪感からだろう。
私は常木さんの恋愛対象から外れている。
だって私と常木さんじゃ釣り合わない。そんなの……。
「……わかってるよ」



