「久美ちゃんって、無防備なんだよね。 男を家にあげたり、真也くんに勉強教えてもらってる時も距離すっごく近かったし。 こんなふうになるなんて考えもしなかった?」 「い、や……やめ……てっ」 すっと真顔に戻る常木さん。 恐ろしく綺麗な顔が表情をなくす瞬間は背筋が凍りつくほどの冷酷さを伴っていた。 「やめないよ」 肩を押さえていた常木さんの手は私の両腕にかけられ、頭の上に持っていかれる。 片手で押さえつけると、空いた方の手を私の腹部に滑り込ませた。