なんだかドキドキしてしまうなあ。私はちっちゃくなりながら校内を見て回る。



一応校内の地図はもらったのだけれど、いかんせんだだっ広い敷地なのでほとんど迷子同然だった。



周りは大人の女の人や男の人ばかりで、私みたいなへっぽこ高校生がウロウロしているととても目立つのである。



ここはどこなのですか。



今何階? 普段着できたのにジロジロ見られるのはなぜなのだ。
あっちにちょこちょこ、こっちにちょろちょろと彷徨う。





 受付を済ました後は自由に見て回れるらしいので案内表示に従って講義室や実験室を覗いてみているけれど、
こういうのって友達ときたりするものなのかもしれない、だってすごく心細いのです。




ラウンジでは大学生が楽しげに話していて、私はいっそう縮こまった。




「案内しようか?」と後ろから優しく声をかけてくれた人は、オープンキャンパスの受付にいたお兄さんだった。




「君すごく不安そうだから、心配で追いかけてきたんだ」




久しぶりに人と話せた気分になって嬉しくなった。