ある程度圭くんを乾かし終わると、次はぼーっとしてる常木さんの頭にタオルをかけた。
「……え?」
「手が届かないから、ちょっと頭をペコっとしてほしい」
は、はい。と彼は言われるがままにぺこりとする。
私は圭くん同様、わしゃわしゃーっと拭いてあげた。
不意に常木さんが私の手首を掴んで、何か言いかけた。
が、少年に視線を向け「ああ」と眉を下げてると口をつぐんでしまう。
今日の常木さんはとことん歯切れが悪い。
どうしたのだろう。
「気にしないで続きやってよ、僕のことなんて気にしなくていいよお兄さん」
と圭くんがニヤリと口角をあげた。



