このチームのミーティングは、いつも私の独壇場だ。サブスクサービスを提案したのも私だった。
だからといって三人がなにもしないわけではない。
今回の依頼に対しては、日頃からネイルを嗜みアンテナを張っている私が豊富にアイディアを出せるだけで、方向性が確定したらみんなにも忙しく動いてもらうことになる。
「――というところまで考えたのですが、どうですか?」
「完璧すぎて異議の唱えようがないです……さすが愛華さん」
「ありがとう、まりちゃん。ただ、具体的にかかるコストについてはわからない部分があります。森川社長に提案するまでには把握しておきたいので、青木さんと広瀬くんにもご協力願いたいのですが」
「わかった。先方は印刷会社だし、パッケージの製作は自社でできるだろ」
「あ、そうですよね。封筒やマニュアルは外注する必要がないのか。じゃあ思ったより安くできるかも」
「パッケージとかのデザインって、うちか先方、どちらがやるんですか?」
「先方にもデザイナーがいるかもしれないから、それは森川社長を交えて話し合いましょう」
「そうですね」
私を明確に実質的なリーダーとして動かすことで、このチームのミーティングはスムーズに話し合いが進む。結局この日も1時間ミーティングルームを押さえたが、30分ちょっとで終了。
残りの時間は、各々の仕事に戻るなりこのまま時間まで部屋にるなり、好きに過ごす。
まりこと広瀬くんは午前中に仕上げたい仕事があるそうで、早々にオフィスへ戻っていった。
必然的に残ったのは、青木さんと私のふたりだけになる。



