「双葉。一人で学校行けるか?俺が送ろうか?」
「もう!大丈夫だってばー」


「何かあったらすぐ連絡しろよ?気を付けていくんだぞ。いってらっし
ゃい!」



「はいはい、行ってきます」



ドアを開け外へ出る。



ふー。



春の風は気持ちいいな。



中条双葉(なかじょうふたば)。



高校一年生。



高校に入学してから早一か月がたった。



さっきの過保護なのは大学一年生の兄で、自分で言うのもなんだが、かなりのシスコンだ。



私たちは二人兄妹だからか、かなり仲が良い。



お兄ちゃんのことは、たまに愛が強すぎてうるさいって感じるときもあるけれど、私にとっても唯一無二の兄妹だからやっぱり大好きなんだ。



学校までの道のりは、そこまで遠くなくて楽に通える距離。



それもこの高校を選んだ理由の一つ。