「ななな、長野ちゃん」 私はばっと彼女を引き離した。 「いいい、今何て?」 「だからぁ、女の子と佐藤さんが並んで歩いてたんですよぅ。それもかなり親しげだったんですぅ。ちなみに、今日はワイルドなほうの彼が迎えに来てくれるんですよぉ」 あ、余計な情報が追加されてる。 じゃなくて! 「そそそ、それって人違いなんじゃない? ほら、世の中にはそっくりさんもいることだし」 「ゆかりさん、諦めが悪いですぅ」 長野ちゃんがむうっと口角を下げた。 というかあなた怒った顔も可愛いですか。 じゃなくて!