赤とアビス


きっと私が家を知られるのを嫌がってると思ってそう言ってくれたんだろうけど…そこじゃないのに!一人になって頭を冷やしたかったのに…!


隣を歩いていたら全然冷静になんてなれないよ。


…そう思ったけど、雪が降るこの外の寒さじゃすっかりさっきまでの熱い頬も冷めて、幾分か頭もすっきりとした。


「とりあえず、駅まで行けば分かるよね?」


白い息を吐いて私の方を見る彼。その問いかけに私はコクコクと頷いた。


「なんか、可笑しいですよね。名前も知らない二人が、クリスマスにこうやって並んで歩いてるなんて」


忘れかけていたけれど今日はクリスマスで。あの男たちに絡まれなければ今頃、家でお母さんとケーキなりを食べていたんだろうな。