鍵を持って玄関を開けた瞬間、冷たい風が入ってきて家から出るのが億劫になる。
ここ最近で一気に気温が下がって、特に朝晩が寒くてしょうがない。
それでも華の女子高生魂でスカートを短くするのは止められないんだから、困ったものだ。
ヒートテックのインナーとマフラーまで付けた上半身だけはぬくぬくな状態で、私は意を決して玄関から1歩外に出た。
「う〜、寒…」
それでも、雲ひとつない晴天なのが救いだ。
徒歩20分の学校に向かって私は早歩きで足を進めた。
「おはよう桜子〜って髪ぐちゃぐちゃだよ」
学校に着いた頃には足は凍った棒のように冷たくて、速攻で窓際の暖房に向かう。



