赤とアビス


彼は無表情で何を考えているか分からないけど、悪い人ではないということは分かった。


男3人を1人でボコボコに倒していたあの人と本当に同一人物?と疑問を持ってしまうくらいには印象が違う。


「…ごめん、やっぱりクリスマスなのにコンビニのケーキじゃつまらないよね」


私が何の言葉も返さないのを、嫌なんだと思ったらしい彼は目に見えてしょぼんとした。


「あ!そういう訳ではなくて…ただ、びっくりしただけです」


「ほんと?じゃあ…これ」


彼はコンビニの袋からケーキを取り出して机に置いた。


えーと一体これは…?


「良かったら一緒に食べませんか?」