バレてませんようにと思いながら、足を進めて数歩。
煩いくらいに話し続けていた彼らの声が止まった。どっちだコレは…私が居ることがバレたのか?
振り返って確認したいという誘惑に負けて、私はゆっくりと後ろを見る。
「ひっ」
完全にアウトだ。彼らは既にこっちに歩いていて、思ったよりも近くにいるから変な声が出てしまった。
「立木ちゃん?何で無視して行くの〜?」
名前まで…。明らかにヤバい奴らに気に入られてしまった。
私は必死に足を動かして、早歩きで彼らから離れようと進む。
「制服姿やばいね、これナントカ罪になんのかなぁ」
何が面白いんだかゲラゲラと不快な笑い声がすぐ隣で聞こえる。



