「立木さん裏入ってくれるー」


そんなギリギリの所で、店長がナイスな指示をくれた。


表向き彼らに軽く礼をしてから、意気揚々と厨房へ入る。


「大丈夫?絡まれてたでしょ。ごめんね助け舟出すの遅くなって」


「いえ、助かりました…」


最近少々腹が出てきたと気にしている店長は、こう見えて気が利くのだ。


私がそこそこ忙しい此処でのバイトを続けていられるのも、店長含め従業員が優しいところが大きい。


「後はもうホール出なくていいから。洗い物お願い」


いつもなら進んではやりたくない洗い物も、あの男たちの相手をしなくていいんだったらと、喜んでその指示に従った。