祈った、のに…。


いやむしろ祈ったのが裏目に出てしまったのか。そもそもこの人員の少なさでそれを望むのが無謀だったのか。


たった10分もしないうちに、私はまた男たちのテーブルの前にいた。


「バイト何時まで?終わったら一緒に飲もうよ」


「いえ、すみませんが…」


注文をする訳でもなく、誘い文句を言ってくるこの男は此処を何だと思っているんだろうか。


そんなに遊びたいならそういうお店に行ってくれ。


「俺ら終わるまで待つからさ。あ、勿論奢るし」


余りのしつこさに、営業スマイルが消えかけた。むしろここまで静かに受け応えていた自分が偉いとすら思う。