「それで!?誘われたのっ?」


物凄い勢いで興味津々に聞いてくる優里に、少々引き気味に私と千咲は苦笑いをする。


「優里、声大きいから」


千咲に咎められた優里はごめんと謝りながらも、キラキラとした目は私に向けられたまま。私が答えるのを期待していた。


「誘われてないし、そもそもクリスマスはバイトだもん」


「なあ〜んだ」


露骨にがっくりとした声と表情を見せられ、私は何もしていないのに何だか悪いことをした様な気にさえなってくる。


大体クリスマスっていったって、何も普段と変わらないじゃない。今年は平日で、学校だってあるし。


街中は浮かれてイルミネーションだとか、ツリーだとかで煌びやかに飾られているけど。私にとっては何の特別感も無い、唯の一日だ。