「澪」 キスの合間に、桐島さんが私の名前を呼ぶ。 低く艶のある声で発せられる自分の名前にさえ心臓が反応していた。 自分の名前がこんなにも体に毒な響きを持っているなんて、桐島さんに呼ばれるまで知らなかった。 「好きだよ」 「……んっ」 今後、桐島さんといるだけでもれなくこんな雰囲気になるのかと思うと、なんだかそのうち溶かされそうで本気で怖かった。