「モーズレイ先生、すみません。今、坊ちゃんの散歩の時間でして」
「先生の家はこの辺だって聞いたから、捜してみようと思ったんだ!」
少年は、口調は幼く感じたが、外見はエリシュカの弟たちと同じくらいの年齢――十五歳くらいに見えた。茶色の髪はふんわり柔らかそうで、ルビーのような赤い瞳がキラキラと輝いている。貴族の子息らしい、襟元にフリルのついたシャツに青色の上着を着ている。
(どこかで見たことあるような?)
妙な既視感に襲われ、エリシュカは彼をじっと見た。視線に気づいた少年が、ふたりの方を向き、笑顔を向けてくる。
「あれ? 君たちは誰?」
「どうも、俺たちは魔道具の修理のものです」
リアンはぺこりと頭を下げ、そのまま作業に戻る。エリシュカもそれに習ったが、ふたりが気になり、会話には聞き耳を立てていた。
「どうしました坊ちゃん。今日は授業の日ではありませんよね?」
モーズレイ氏が慌てて駆け寄る。どうやらこの子がモーズレイの生徒であるらしい。
「体力づくりに散歩するのいいっておっしゃったでしょう? だから早速散歩していたのです。モーズレイ先生のお宅はこのあたりだったなぁっと思って、捜しながら歩いていたんですよ」
「そうでしたか。しかし、申し訳ない。坊ちゃまをおもてなしできるようなものが何もなくて……」
モーズレイ氏はいかにも焦っている。この広い屋敷にひとり暮らしらしい。この規模の御屋敷ならば使用人を雇うものだが、おそらく、彼を騙した男以外は雇っていなかったのだろう。
「良ければ、僕がお茶をお入れしましょうか」
「こら、エリク」
思わず提案したエリシュカに、リアンは眉を顰める。
「あ、もちろん、よろしければ、ですけど」
モーズレイ氏は帰る気のなさそうな少年を見つめ、エリシュカに向けて苦笑した。
「悪いね、頼めるかな」
「はい」
こうして、作業は一時中断し、一向は居間へと移動した。
「先生の家はこの辺だって聞いたから、捜してみようと思ったんだ!」
少年は、口調は幼く感じたが、外見はエリシュカの弟たちと同じくらいの年齢――十五歳くらいに見えた。茶色の髪はふんわり柔らかそうで、ルビーのような赤い瞳がキラキラと輝いている。貴族の子息らしい、襟元にフリルのついたシャツに青色の上着を着ている。
(どこかで見たことあるような?)
妙な既視感に襲われ、エリシュカは彼をじっと見た。視線に気づいた少年が、ふたりの方を向き、笑顔を向けてくる。
「あれ? 君たちは誰?」
「どうも、俺たちは魔道具の修理のものです」
リアンはぺこりと頭を下げ、そのまま作業に戻る。エリシュカもそれに習ったが、ふたりが気になり、会話には聞き耳を立てていた。
「どうしました坊ちゃん。今日は授業の日ではありませんよね?」
モーズレイ氏が慌てて駆け寄る。どうやらこの子がモーズレイの生徒であるらしい。
「体力づくりに散歩するのいいっておっしゃったでしょう? だから早速散歩していたのです。モーズレイ先生のお宅はこのあたりだったなぁっと思って、捜しながら歩いていたんですよ」
「そうでしたか。しかし、申し訳ない。坊ちゃまをおもてなしできるようなものが何もなくて……」
モーズレイ氏はいかにも焦っている。この広い屋敷にひとり暮らしらしい。この規模の御屋敷ならば使用人を雇うものだが、おそらく、彼を騙した男以外は雇っていなかったのだろう。
「良ければ、僕がお茶をお入れしましょうか」
「こら、エリク」
思わず提案したエリシュカに、リアンは眉を顰める。
「あ、もちろん、よろしければ、ですけど」
モーズレイ氏は帰る気のなさそうな少年を見つめ、エリシュカに向けて苦笑した。
「悪いね、頼めるかな」
「はい」
こうして、作業は一時中断し、一向は居間へと移動した。



