「魔法に強い素材ってないんですか?」
「強い?」
「ええと、影響を受けにくいと言えばいいでしょうか」
リアンは顎に手をあてて考える。
「その観点で考えたことはなかったな。……魔道具の多くは、魔力を伝えるのに金属管を使い、魔石に術式を刻み込んで魔法を起こす。だから、金属は最も影響を受けやすいと言えるだろう。それ以外の素材と言うと木やガラス……」
「ゴムはどうですか?」
ゴムは南方からの交易品だ。防水布やゴム靴といった製品として入ってきているが、素材としての利用はまだされていない。
「ゴムがもし魔力を遮断するなら、魔法管にゴム素材で弁を作って、手元のスイッチの開き加減に応じて、ゴム弁を動かせるようにすれば、調節できませんか?」
「……お嬢は本当にいろいろ思いつくな」
ぼそりとリアンが言う。最近は面と向かったときはエリクかエリシュカと呼んでくれるので、完全な独り言のようだ。
「試してみよう」
「はい」
リアンはすぐに立ち上がり、子ネズミを使って、材料の調達に入った。
電話の役割を果たす子ネズミは、事務机に十個ほど並んでいる。
「ここには子ネズミがいっぱいあるんですね」
「一体につき、三か所しか登録できないからな」
「ネズミごとに連絡できる先が決まってるってことですか。……なるほど」
どうやら子ネズミにもまだまだ改良の余地がありそうだ。



