しばらくすると、ブレイクは「後は頼むね」と言うと、屋敷へと戻っていった。
「叔父様は普段、お店にはいらっしゃらないんですか?」
リアンに尋ねると、彼は困ったように目を泳がせた。
「オーナーは、事情があって定期的に様子を見に来るだけだな。だがあの人の元には情報がちゃんと届くようになっているし、必要な指示は出してくれるから大丈夫だ。……エリシュカにもいずれ、話すときがくると思うんだが」
「……?」
何やら含んだ言い方に気になるところはあったが、エリシュカはそれ以上の追及はしなかった。
新しい生活が始まる。
翌日すぐに大工が来て、二日かけて改装を終わらせる。その間、「男女が二人きりなんて駄目よー」と叫ぶリーディエがエリシュカと共に事務所で寝泊まりするというハプニングがありつつも、エリシュカは順調にこの生活に慣れつつあった。
「おはよう」
「おはようございます! リアン」
起床は六時半。男装するエリシュカは身支度に時間がかかるため、朝食はリアンが作る。
身支度を終えると、揃って朝食だ。
「ごちそうさん。俺は店を見てくる」
「はい! 片付けはおまかせあれ! です!」
片付けはエリシュカの担当だ。夜は逆になる。そのほか、掃除や洗濯はそれぞれ行う。伯爵家での洗濯は一枚一枚手洗いだったが、ここにはブレイクが開発したという魔道具の簡易洗濯機があるので、簡単だ。とはいえ、脱水機能がないなどエリシュカの目から見れば改善点も多いので、おいおいリアンに伝えて、機能を拡張してもらうつもりだ。
お店では主にリーディエが接客を担当し、購入が決まったお客への説明係がヴィクトル。使いやすく改良したいとの要望や修理に対応するのがリアンだ。エリシュカは、ヴィクトルの補佐として、お客へのお茶出しを担当していた。
「新しい子が入ったのか」
「はい、エリクといいます。よろしくお願いします」
ミキサーを買った恰幅のいい紳士とそのご婦人にお茶を出していると、声をかけられた。どうやら常連さんのようだ。
「この店ができてから本当に便利になったわぁ。以前の魔道具より格段に魔力も少なくて済むし」
「そうなのですか?」
「ええ。ランプなんて昔からある魔道具だけど、こちらのものは全然魔力使用量が違うのよ」
「ああ、とても助かっている。ブレイクにもよろしく伝えておいてくれ」
「叔父様は普段、お店にはいらっしゃらないんですか?」
リアンに尋ねると、彼は困ったように目を泳がせた。
「オーナーは、事情があって定期的に様子を見に来るだけだな。だがあの人の元には情報がちゃんと届くようになっているし、必要な指示は出してくれるから大丈夫だ。……エリシュカにもいずれ、話すときがくると思うんだが」
「……?」
何やら含んだ言い方に気になるところはあったが、エリシュカはそれ以上の追及はしなかった。
新しい生活が始まる。
翌日すぐに大工が来て、二日かけて改装を終わらせる。その間、「男女が二人きりなんて駄目よー」と叫ぶリーディエがエリシュカと共に事務所で寝泊まりするというハプニングがありつつも、エリシュカは順調にこの生活に慣れつつあった。
「おはよう」
「おはようございます! リアン」
起床は六時半。男装するエリシュカは身支度に時間がかかるため、朝食はリアンが作る。
身支度を終えると、揃って朝食だ。
「ごちそうさん。俺は店を見てくる」
「はい! 片付けはおまかせあれ! です!」
片付けはエリシュカの担当だ。夜は逆になる。そのほか、掃除や洗濯はそれぞれ行う。伯爵家での洗濯は一枚一枚手洗いだったが、ここにはブレイクが開発したという魔道具の簡易洗濯機があるので、簡単だ。とはいえ、脱水機能がないなどエリシュカの目から見れば改善点も多いので、おいおいリアンに伝えて、機能を拡張してもらうつもりだ。
お店では主にリーディエが接客を担当し、購入が決まったお客への説明係がヴィクトル。使いやすく改良したいとの要望や修理に対応するのがリアンだ。エリシュカは、ヴィクトルの補佐として、お客へのお茶出しを担当していた。
「新しい子が入ったのか」
「はい、エリクといいます。よろしくお願いします」
ミキサーを買った恰幅のいい紳士とそのご婦人にお茶を出していると、声をかけられた。どうやら常連さんのようだ。
「この店ができてから本当に便利になったわぁ。以前の魔道具より格段に魔力も少なくて済むし」
「そうなのですか?」
「ええ。ランプなんて昔からある魔道具だけど、こちらのものは全然魔力使用量が違うのよ」
「ああ、とても助かっている。ブレイクにもよろしく伝えておいてくれ」



