「どんなにお転婆でもお嬢は女だからな。忘れるなよ」
リアンは銀髪のおさげを指で掴み、唇を噛みしめた。なぜ彼が辛そうなのか、エリシュカにはわからない。
「……ったく、なんでこんなことに」
「リアンさん?」
「とにかく、男装はあくまで周囲の目を誤魔化すためのものだ。女だってこと、忘れずに生活しないとダメなんだぞ」
再びかつらをエリシュカの頭に戻し、リアンは背中を向ける。
今のは果たして怒られたのか、諭されたのか。リアンのことがよくわからない。ただ、彼は冷やかしとかではなく、本当に自分のことを心配はしてくれているのだろうとは思う。それがエリシュカにはうれしい。
(お母さんとかおばあちゃんみたい)
エリシュカが思い出したのは、夢の世界での母親と祖母だ。残念ながら実の母は、エリシュカのことをあまり心配してはくれなかった。
「ねぇ、リアンさん。私はどんな仕事をすればいいですか」
「ああ。……それより、その呼び名を何とかしてほしい。落ち着かないんだよ。お嬢は俺を、呼び捨てにしてたから」
「それを言ったら、私だってもうお嬢様じゃないんですから、お嬢って呼ばないでください。エリシュカか、人前ではエリクって呼んでくださいよ。それに、店長さんを呼び捨てになんてできません!」
「それでも呼べ。でなければお前のことも呼ばない」
なぜかリアンのほうが今回は引かない。エリシュカは困り切って上目遣いで見つめる。
「店長」
「オーナーの姪にその呼ばれ方はされたくない」
「ううう。じゃあ、リアン……さん」
呼びかけて、やっぱり気が引けてさん付けすると、リアンの眉間が深くなった。
「えーん。リアン! これでいいですか?」
「よし。じゃあこれから頼むな、エリク」
そのほほ笑みに懐かしさに似たものを感じて、胸がドキリと高鳴る。落ち着かせようと胸を押さえていると、リーディエに睨まれ、別の意味で心臓がバクバクした。
リアンは銀髪のおさげを指で掴み、唇を噛みしめた。なぜ彼が辛そうなのか、エリシュカにはわからない。
「……ったく、なんでこんなことに」
「リアンさん?」
「とにかく、男装はあくまで周囲の目を誤魔化すためのものだ。女だってこと、忘れずに生活しないとダメなんだぞ」
再びかつらをエリシュカの頭に戻し、リアンは背中を向ける。
今のは果たして怒られたのか、諭されたのか。リアンのことがよくわからない。ただ、彼は冷やかしとかではなく、本当に自分のことを心配はしてくれているのだろうとは思う。それがエリシュカにはうれしい。
(お母さんとかおばあちゃんみたい)
エリシュカが思い出したのは、夢の世界での母親と祖母だ。残念ながら実の母は、エリシュカのことをあまり心配してはくれなかった。
「ねぇ、リアンさん。私はどんな仕事をすればいいですか」
「ああ。……それより、その呼び名を何とかしてほしい。落ち着かないんだよ。お嬢は俺を、呼び捨てにしてたから」
「それを言ったら、私だってもうお嬢様じゃないんですから、お嬢って呼ばないでください。エリシュカか、人前ではエリクって呼んでくださいよ。それに、店長さんを呼び捨てになんてできません!」
「それでも呼べ。でなければお前のことも呼ばない」
なぜかリアンのほうが今回は引かない。エリシュカは困り切って上目遣いで見つめる。
「店長」
「オーナーの姪にその呼ばれ方はされたくない」
「ううう。じゃあ、リアン……さん」
呼びかけて、やっぱり気が引けてさん付けすると、リアンの眉間が深くなった。
「えーん。リアン! これでいいですか?」
「よし。じゃあこれから頼むな、エリク」
そのほほ笑みに懐かしさに似たものを感じて、胸がドキリと高鳴る。落ち着かせようと胸を押さえていると、リーディエに睨まれ、別の意味で心臓がバクバクした。



