没落人生から脱出します!

 ひとしきり泣いて落ち着いたエリシュカは、すっかり気分が晴れていた。
 やがてヴィクトル戻ってきて、エリシュカにかつらと着替え三日分を渡す。それを見届けたブレイクは立ち上がり、「着替えてからおいで。仕事の説明をしよう」と言って、ヴィクトルと共に一階へと下りて行った。
 エリシュカは棚にあった手鏡を壁に立てかけ、三つ編みをクルクルと丸め、ピンでとめ、かつらをかぶった。
 白いシャツにサスペンダー付きの薄茶のパンツと同色のジャケット。
 あっという間に、身なりのいい少年という風情になる。

「わあ、髪色が違うだけで印象変わるなぁ。うん。結構似合うんじゃない?」

 気分が上がったエリシュカは、軽快に階段を下り、みんなの前にその姿を見せる。

「どうです? ちゃんと男の子に見えますか?」
「お、いいね。似合うじゃん。服もぴったりだね」
「僕のエリシュカはどんな格好していてもかわいいよ~」

 すぐに同意してくれるのはヴィクトルとブレイクだ。リーディエはそのふたりをあきれたように見つつも、「男の子には見えるわ。少年って感じね」と冷静な意見をくれる。

「リアンさんはどう思います?」

 両手を広げて見せると、リアンは大きくため息をつき、エリシュカを奥にぐいぐい引っ張っていく。

「な、な、な」
「なに喜んでるんだよ」

 呆れた声を出し、リアンはエリシュカの頭に乗ったかつらをひょいと持ち上げる。ピンが引っかかって取れてしまい、銀髪の三つ編みが、片方だけ房のまま肩に落ちる。