リアンの部屋の椅子に座り、叔父と向かい合ったエリシュカは、ここに来た経緯を語った。
五年程前から、領地事業の資金繰りが苦しく、今やキンスキー伯爵家は没落寸前であること。そして父が、エリシュカに婚姻を強要したこと。だから逃げてきたと告げれば、叔父はついに噴きだした。
「あはは! 兄上の仰天した顔が目に浮かぶよ。いい気味!」
「叔父様」
「だってそうだろう? 借金の返済のために娘を売ろうとするなんて、親の風上にも置けないよ」
ブレイクは笑いすぎて目の端に浮かんだ涙を拭いながら、そう言う。けれどエリシュカは大笑いする気にはなれない。
「……私だって困っている両親を捨ててきたんだから、親不孝者です」
「君が気にすることないだろう。割り切りの良さは君のいいところだよ。幼いときからそうだった」
頭を撫でられて、胸の奥がこそばゆくなる。自分のありのままをいいと言ってくれる人は、エリシュカの周りにはあまりいなかった。
(だからほとんど会ったことが無いのに、叔父様のことが好きだったのよね)
「私は覚えていなけど、七歳より前もそうだったの?」
「僕が知る限り、君は記憶を無くす前も、君にはそういうところがあったよ。両親が双子に構いきりになるのを寂しそうに見ていたけれど、すぐに他の楽しいことを捜そうとしていた。だから僕と仲良くなったんだよ?」
エリシュカの記憶にないときも、叔父とは仲が良かったという。おそらく三、四歳の話だが、一体どんな会話をしたのだろう。
五年程前から、領地事業の資金繰りが苦しく、今やキンスキー伯爵家は没落寸前であること。そして父が、エリシュカに婚姻を強要したこと。だから逃げてきたと告げれば、叔父はついに噴きだした。
「あはは! 兄上の仰天した顔が目に浮かぶよ。いい気味!」
「叔父様」
「だってそうだろう? 借金の返済のために娘を売ろうとするなんて、親の風上にも置けないよ」
ブレイクは笑いすぎて目の端に浮かんだ涙を拭いながら、そう言う。けれどエリシュカは大笑いする気にはなれない。
「……私だって困っている両親を捨ててきたんだから、親不孝者です」
「君が気にすることないだろう。割り切りの良さは君のいいところだよ。幼いときからそうだった」
頭を撫でられて、胸の奥がこそばゆくなる。自分のありのままをいいと言ってくれる人は、エリシュカの周りにはあまりいなかった。
(だからほとんど会ったことが無いのに、叔父様のことが好きだったのよね)
「私は覚えていなけど、七歳より前もそうだったの?」
「僕が知る限り、君は記憶を無くす前も、君にはそういうところがあったよ。両親が双子に構いきりになるのを寂しそうに見ていたけれど、すぐに他の楽しいことを捜そうとしていた。だから僕と仲良くなったんだよ?」
エリシュカの記憶にないときも、叔父とは仲が良かったという。おそらく三、四歳の話だが、一体どんな会話をしたのだろう。



