国王はおもむろにそう言うと、宰相に目配せをした。宰相は頷くと、エリシュカたちが入って来た扉とは反対側にあたる扉の前にいる兵に手で合図をする。
兵が扉を開けると、エリシュカにとっては意外な人物が現れた。
「……お父様?」
思わず口に出してしまって、慌てて口を押さえる。
「エリシュカ? お前がどうしてここに。陛下、いったいどのような用件で私をここに呼び出したのですか」
「黙って入ってこい。キンスキー伯爵。貴殿が支援金をと求めている領地の件で呼んだのだ」
キンスキー伯爵は、エリシュカを睨んだまま近づいてくる。リアンが視線から隠すように少し前に立ってくれた。
「結論から言うと、キンスキー伯爵。そなたに領地運営の才はないように思う」
「は? 何をおっしゃいます。私は先代から引き継いで二十年きちんと領地経営をして……」
「二十年間で、祖先が築いた財を食いつぶしていっただけだろう」
エリシュカは思わずうなずいてしまう。裕福だった伯爵家が没落したのは、父の代になってからだ。
「しかも、貴殿は山林をレイトン商会に売り、一定の財を手にしたはずだ。なのにすぐ、金がないと支援金を求めてきた」
「それは……。我が領地の民が納税を渋っておりまして」
「それも、突然税を上げたからだと聞いている。キンスキー領の周辺の領主からは、キンスキー領から移民が流れてきて困っていると苦情も入っている」
エリシュカは頭を抱えたくなった。木こりたちはレイトン商会の支援でなんとかなっていたが、どこからも支援を得られない人もいたのだろう。税が払えないために領土から出て行ってしまった人もいるようだ。
兵が扉を開けると、エリシュカにとっては意外な人物が現れた。
「……お父様?」
思わず口に出してしまって、慌てて口を押さえる。
「エリシュカ? お前がどうしてここに。陛下、いったいどのような用件で私をここに呼び出したのですか」
「黙って入ってこい。キンスキー伯爵。貴殿が支援金をと求めている領地の件で呼んだのだ」
キンスキー伯爵は、エリシュカを睨んだまま近づいてくる。リアンが視線から隠すように少し前に立ってくれた。
「結論から言うと、キンスキー伯爵。そなたに領地運営の才はないように思う」
「は? 何をおっしゃいます。私は先代から引き継いで二十年きちんと領地経営をして……」
「二十年間で、祖先が築いた財を食いつぶしていっただけだろう」
エリシュカは思わずうなずいてしまう。裕福だった伯爵家が没落したのは、父の代になってからだ。
「しかも、貴殿は山林をレイトン商会に売り、一定の財を手にしたはずだ。なのにすぐ、金がないと支援金を求めてきた」
「それは……。我が領地の民が納税を渋っておりまして」
「それも、突然税を上げたからだと聞いている。キンスキー領の周辺の領主からは、キンスキー領から移民が流れてきて困っていると苦情も入っている」
エリシュカは頭を抱えたくなった。木こりたちはレイトン商会の支援でなんとかなっていたが、どこからも支援を得られない人もいたのだろう。税が払えないために領土から出て行ってしまった人もいるようだ。



