「リアン、あなたに聞きたいことがあります。姉上を知りませんか?」
「なぜ俺が、エリシュカお嬢様を知っていると思うんです。伯爵邸を追い出されてから、お会いしていませんよ」
「万が一ということがあるかなと思いましてね。ここ、ブレイク叔父様が出資している店なんでしょう? 父上は、叔父様の屋敷には何度も人をやっているようですが、見つからないという。でも、あの姉上がひとりで生きていけるほど世の中甘くありません。加えて、姉上は気の置けない友人もいない。頼るなら身内しかないでしょう。だったら、ここも怪しいかなって思ったんですよ」
マクシムは、ひとつひとつ、事実を確認するように言った。
リアンは表情を変えずに、ゆっくり答える。
「俺がブレイク様と知り合い、雇ってもらえるまでになったのはたまたまです。まさかキンスキー伯爵家の方だなんて知りませんでしたよ。俺と出会ったときのブレイク様は、ブレイク・セナフルと名乗っておられましたし」
「フーン」
双子は、ジロジロとリアンをねめつけた。話に嘘がないのか、探っている様子だ。
「今も、キンスキー伯爵家の方と繋がっている意識はありません。ブレイク様はあくまで、魔道具作りの師匠であり、この店の出資者というだけです。……おふたりは、魔道具をお求めになってきたわけではないのでしょうか。であれば、お帰りいただけますか。エリシュカお嬢様のことは知りませんので、これ以上居座られるのは困ります」
「ふん。匿っていたら訴えるからな! 姉上がいなくなって、俺たち、すごく困ってるんだから」
「いなくなったんですか?」
リアンが、さも初めて聞いたかのように聞き返す。
「馬鹿」とマクシムがラドミールをつつき、黙らせる。
「姉上は、縁談が気に入らずに家出したのです。おかげで我が家は大変なんですよ。もし姉上に会うことがあれば、馬鹿なことは止めて帰って来てほしいと伝えてください」
まるで、ここにエリシュカがいることを知っているかのように、マクシムが大声で放つ。
「また来ますからね」
「次にいらっしゃるときは、お買い上げをお願いいたしますよ」
リアンも負けじと大声を出して言ったが、彼らは聞いているのかいないのか、ひらひらと手を振って出て行った。
「なぜ俺が、エリシュカお嬢様を知っていると思うんです。伯爵邸を追い出されてから、お会いしていませんよ」
「万が一ということがあるかなと思いましてね。ここ、ブレイク叔父様が出資している店なんでしょう? 父上は、叔父様の屋敷には何度も人をやっているようですが、見つからないという。でも、あの姉上がひとりで生きていけるほど世の中甘くありません。加えて、姉上は気の置けない友人もいない。頼るなら身内しかないでしょう。だったら、ここも怪しいかなって思ったんですよ」
マクシムは、ひとつひとつ、事実を確認するように言った。
リアンは表情を変えずに、ゆっくり答える。
「俺がブレイク様と知り合い、雇ってもらえるまでになったのはたまたまです。まさかキンスキー伯爵家の方だなんて知りませんでしたよ。俺と出会ったときのブレイク様は、ブレイク・セナフルと名乗っておられましたし」
「フーン」
双子は、ジロジロとリアンをねめつけた。話に嘘がないのか、探っている様子だ。
「今も、キンスキー伯爵家の方と繋がっている意識はありません。ブレイク様はあくまで、魔道具作りの師匠であり、この店の出資者というだけです。……おふたりは、魔道具をお求めになってきたわけではないのでしょうか。であれば、お帰りいただけますか。エリシュカお嬢様のことは知りませんので、これ以上居座られるのは困ります」
「ふん。匿っていたら訴えるからな! 姉上がいなくなって、俺たち、すごく困ってるんだから」
「いなくなったんですか?」
リアンが、さも初めて聞いたかのように聞き返す。
「馬鹿」とマクシムがラドミールをつつき、黙らせる。
「姉上は、縁談が気に入らずに家出したのです。おかげで我が家は大変なんですよ。もし姉上に会うことがあれば、馬鹿なことは止めて帰って来てほしいと伝えてください」
まるで、ここにエリシュカがいることを知っているかのように、マクシムが大声で放つ。
「また来ますからね」
「次にいらっしゃるときは、お買い上げをお願いいたしますよ」
リアンも負けじと大声を出して言ったが、彼らは聞いているのかいないのか、ひらひらと手を振って出て行った。



