子犬系男子の甘い溺愛が止まらない




歴代の生徒会長からの引き継ぎでは、



"生徒会長の挨拶なんて誰も聞いちゃいないよ。"


"校長先生からのありがたいお言葉と同じ。"



そう聞かされてきた。


でも、わたしはそうは思っていない。


だって、みんなこちらを見ているから。


そんな視線に答えるように新1年生を見ていると、1人の男の子と目が合った。


他の男の子よりも明るいアッシュカラーの髪。


毛先も軽く遊ばせているから、さらにそれが目立つ。


ステージの上からも、顔のパーツが整っているのがよくわかる。


うん、あの子は結構イケメンかも。


恋についてはご無沙汰だけど、イケメン俳優が出ているドラマは必ずチェックしてしまうタイプで、イケメンを探すのは結構得意だったりする。



「……?」



今、あの子に笑い返された?

わたしの気のせいかもしれないけれど。


その後も問題なく読み上げて、再度礼をする。


そして顔を上げると、再びイケメンくんと目が合った。


いや、ウインクをされた。


こんなことは初めてで、戸惑いながらもステージを後にした。