子犬系男子の甘い溺愛が止まらない




「僕には注意するのに、なんで島元先輩には何も言わないんですか?」


「今、島元は関係ないだろ?」


「もう、2人とも!」



せっかく早く終われそうなのに、こんなところでケンカが始まってしまったら、遅くなってしまう。



「綾瀬ー、藤ヶ谷ー、いるかー?」



体育館の入口から、野太く低い声でわたしたちを呼ぶ声がする。


この距離から見てもわかるくらいガタイがいい先生だ。



「はーい!」



2人のことは一度置いて振り向き、返事をする。



「明日のことで話があるんだけど、ちょっと来れるか?」


「わかりました! 藤ヶ谷くん、行こっか」


「あぁ。 多分、明日の進行のことだろうな」


「わたし、みんなに残りの指示してから行くから、先に行っててくれる?」


「わかった。 よろしくな」



トップであるわたしたちが現場から抜けることになってしまうから、残りの4人で進められるよう伝えておかないと。


先生を待たせておくのは申し訳ないから、先に藤ヶ谷くんに行ってもらうことにした。


あと準備をしなきゃいけないことはそんなに残っていないから、すぐに行けるはず。