「すみませーん、遅れました」
そう言って生徒会室のドアを開けたのは、遅刻していた島元くん。
「大丈夫?」
「あ、はい、大丈夫っす」
「もう! 初花先輩は煌牙に甘すぎますっ! いつになったらその遅刻癖治るわけ!?」
仕事を投げているわけではないし、遅刻とはいえ入学式の時間までには間に合っているし。
怒るに怒れないわたし。
「いいじゃん、ちゃんと間に合ってるんだから」
「その反省の無さが問題なの!」
こんな絢ちゃんと煌牙くんの痴話喧嘩は、日常茶飯事。
「本当に2人とも仲良しだよね」
「「違います!!」」
「ほら、息ぴったり」
何だか2人を見てると、妹と弟を見ているかのよう。
わたしにとって、すごく可愛い後輩だ。
そんな後輩が今日からまた新しく入ってくる。
一体どんな子が入ってくるんだろう。
ちょっぴり楽しみで、心を躍らせていた。



