「お疲れ様でーす」
一通り落ち着いて、静まり返った生徒会室の扉が開いた。
「お疲れ様、島元く……」
「煌牙ーっ!! あんたは何回言ったらわかるの!?」
わたしの言葉は、絢ちゃんの声にかき消されてしまった。
「そんなに怒んなくてもいいだろ?」
「ちゃんと言わないと更に調子に乗るでしょ、煌牙は!」
あぁ、せっかく収まったと思ったのに。
今日の生徒会室はとても騒がしい。
身長差のある島元くんと絢ちゃん。
絢ちゃんが島元くんを見上げるようにして、迫っている。
「絢ちゃん、落ち着いて?」
ポンっと絢ちゃんの肩に手を置いて、落ち着かせる。
「初花せんぱーい、厳しく叱ってください! 穂乃実ちゃんが可哀想です……」
絢ちゃんの視線の先には、穂乃実ちゃんがいる。
生徒会に入りたてなのに、一生懸命仕事をこなそうと頑張る穂乃実ちゃん。
突然名前を呼ばれて、不思議そうにこちらを見ていた。
今まで周りの声が聞こえないくらい仕事に没頭していたなんて、すごい集中力だ。



