さすがに見学者全員分の椅子は準備できないらしく、みんな地べたに体育座りで説明を聞く。


髪の毛に白髪が目立つ校長先生らしき人からの話が始まった。


暇なんだよね、この時間。


ふと、パンフレットに目が止まる。


よくよく見ると、既に折り目がついていて、読み込まれていることがわかった。


きっと読んだのは、あの先輩だ。


つまらない話は聞かず、ペラっとパンフレットをめくる。


初めて目を通す、パンフレット。



「……ふっ」



そこにはマーカーが引かれていたり、ペンで書き足されていたり。


まるでプレゼンテーションをするための資料だ。


余程この高校が好きなんだろうか?


そこには悪いところは一切書かれていなくて、いいところばかり書かれている。


そのせいで思わず笑みがこぼれてしまった。


なんだかパンフレットを読むのが面白く感じて、あっという間に1冊を読み終えてしまった。


その頃には、長い校長先生の話も終わって、次に移っていた。