「本当に来てくれたんだね」
「当たり前ですよ! ちゃんと明日も来ますって昨日言ったじゃないですか」
変なドキドキをかき消すように、生徒会室の鍵を開けながら、天馬くんに話しかける。
わたしかそんなことを言ってしまったからか、「忘れちゃってましたか?」なんてとても悲しそうに聞かれ、すぐに「そんなことないよ」と訂正した。
忘れたというより、むしろ忘れられなかった。
あんな衝撃的な告白は初めて受けたから。
「それにしても早かったね? 掃除当番とか当たらなかったの?」
「はい! 全然大丈夫です。 早く生徒会長に会いたくて……気づいたらここにいました」
えへへと笑う天馬くんに、ペースが乱される。
生徒会長として、いつも冷静に。
そんな行動を目指しているのに、さっきから崩されっぱなしだ。



