「初花先輩、藤ヶ谷先輩……もう卒業なんて寂しすぎます!寂しすぎて泣きそうですよぉ……」
「絢ちゃんっ……」
泣きそうと言いつつ、もう泣いてしまっている絢ちゃんに、せっかく止まっていた涙がまた溢れ出す。
「んふっ、もらい泣きしちゃったっ」
そんなわたしにまたもらい泣きしてしまった穂乃実ちゃん。
あくびのように連鎖していく。
卒業おめでとうございますと小さな花束をもらって、そこにはまたみんなからのメッセージカードが刺さっていて。
もうこれは明日、目がパンパンだ。
「俺、ちゃんと生徒会長できてますか?」
いつも自信満々の島元くんが珍しく弱音を吐いて、寂しさが伝わってくる。
「大丈夫だよ、島元くん。ステージに立ってる島元くんすごくかっこよかったし、送辞も感動して泣いちゃったよ」
「あぁ、もう立派な生徒会長の顔だったよ」
藤ヶ谷くんにも褒められて、満更でもない様子の島元くん。
藤ヶ谷くんの言う通り、本当に立派な生徒会長だった。



