子犬系男子の甘い溺愛が止まらない




───放課後。



仁奈ちゃんは、バイトがあるからとホームルームが終わってすぐに教室から出て行った。


同じ生徒会の藤ヶ谷くんとはいつも一緒に生徒会室へと向かっていたけれど、今日は掃除当番らしく、1人で向かう。


3階の1番奥にある生徒会室のまわりは、あまり人通りもない。


大事な会議をする時なんかは、とても静かでいい環境だ。


だから、人がいると余計に目立つ。


生徒会室のドアの前に立っている男の子。


きっと鍵が空いていないから、外で待っていたんだろう。


生徒会室の鍵は、今職員室に取りに行ったところで、わたしが持っている。



「あっ、生徒会長ーっ!」



わたしの姿を見つけて、キラキラとした笑顔で駆け寄ってくる。


えぇっと、こっちに向かってきてる……?