「優しくて、楽しい家族ですねっ」
夕飯を終えて、少しの時間だけどわたしの部屋に来て、家族のことを話した。
そしたら、央翔くんはそう言ってくれて、今度はわたしが泣きそうになった。
「ちゃんと話してくれてありがとうございます」
「ううん、央翔くんにはちゃんと知っておいて欲しかったから」
「……っ、やっぱり下の名前で呼ばれるのはずるいですね」
「えっ?」
ベットの上で並んで座る央翔くんが、わたしの髪を撫でる。
「女の子の部屋に男の子を連れてくるのってキケンなの、先輩知ってます?」
「……キケン?」
央翔くんが言うほど、キケンなことって?
首を傾げていると、ポンと肩を後ろに押される。
「はい。こんなこと、されちゃいますよ?」
「……っ!?」



