「こんな素敵な人に出会えて良かったね、初花ちゃん」
2つ隣の席から、わたしの方を見て微笑むお父さん。
この笑顔……央翔くんに似てる。
そういえば、お母さんは再婚してからずっと笑顔だなと思い出す。
お父さんといる時なんかは特に。
お母さんもわたしと一緒なのかな?
この笑顔に救われて、この笑顔に癒されて、この笑顔が大好きで。
「うん、ありがとう、お父さん」
「う、初花ちゃん……っ」
「もうっ、パパったら泣かないの!」
お母さんにパシッと背中を叩かれて、うんうんと頷くお父さん。
今日、初めて新しくできたお父さんを"お父さん"と呼べた。
わたしの中で認めることができたから。



