街灯が夜道を照らす中、肩を並べて一緒に帰る。
「もう少しですね、先輩の家」
「うん、そうだね」
別にお別れじゃないのに、バイバイするのが寂しくて。
つくづく恋をするとこんな気持ちになるんだと驚かされる。
「まだ先輩と一緒にいたいなぁ」
思っていたことは央翔くんも同じで。
なんだか嬉しくなった。
「あっ、央翔お兄ちゃん!」
「央翔おにーちゃんだっ」
聞こえてきたのは結衣と悠太の声。
目線を先にやると、わたしの家の前に家族4人が立っていた。
……どうしよう。
これはちょっと気まずいかも。
恥ずかしいから手を離したくても、央翔くんにしっかりと掴まれていて、それはできない。



