子犬系男子の甘い溺愛が止まらない




───放課後。



前日に絢ちゃんから、「少し遅れて来てください!」と念を押されて言われたので、藤ヶ谷くんと一緒に教室で時間を潰す。



「あっという間だったな、3年間」


「そうだね、入部したての頃はこうして生徒会長をやってるなんて思ってなかったけど……たのしかったな」



もう既に3年生が抜けて、新体制となった運動部が練習をしているグラウンドを教室の窓から覗きながら振り返る。


思い出でいっぱいの生徒会。


生徒会に打ち込んだ高校生活だったと思う。



「あっ、絢ちゃんからメッセージ。もう来ても大丈夫だって」


「じゃあ、行くか」


「うん」



こうして放課後、教室から生徒会室に向かうのは、きっと今日が最後。


この廊下を歩くのでさえなくなるのかと、寂しくなってくる。