子犬系男子の甘い溺愛が止まらない




わたしに諭されて、仁奈ちゃんは椅子に座り直した。



「アイツはそう思ってそうだけどな」



藤ヶ谷くんの言うアイツは、天馬くん。



そうなのかな?


ちゃんと天馬くんは、わたしのこと彼女だって思ってるのかな?



わたしも勝手にそんな気持ちでいたから、改めて確認はしてなかったけど……


仁奈ちゃんに指摘されて、急に不安になってきた。



「ちゃんと確認してみたら?今日で生徒会も終わりなんでしょ?」



そう、仁奈ちゃんの言う通り、わたしと藤ヶ谷くんは今日で生徒会を引退する。


今日は引き継ぎと、わたしたちのためにお別れ会を開いてくれるらしい。



「うん、そうだね」



そうしてみようかな。


なんか、モヤモヤしてきちゃった。


これから本格的に受験勉強に集中しなきゃいけないから、ほぼ毎日生徒会で会っていたのに、それができなくて会える時間も減っちゃうし。


うやむやになるより前に、確認しておきたい。


時間を空けすぎると、タイミングがわからなくなって聞くにも聞けなくなってしまうから。