藤ヶ谷くんも応援してくれている。
こんなんじゃダメだ。
しっかりしろ、わたし。
藤ヶ谷くんにコクンと頷いて見せて、天馬くんについて行く。
「天馬くん、どこに行くの?」
天馬くんは止まる様子もない。
わたしは天馬くんに用事があったからよかったんだけど、天馬くんはどうしてわたしのところに。
「綾瀬会長、この後時間空いてますか?」
「え?……うん、大丈夫だけど」
「じゃあ僕とお店まわりましょう!」
「へっ……」
まさか天馬くんから誘われると思っていなくて、思わず足を止めてしまった。
「ダメ、ですか?」
この子犬のような表情に弱いわたし。
「ううん、一緒にまわろ?」
もしかしたら言えるタイミングが来るかもしれない。
それよりも、天馬くんと一緒にいられることに嬉しくなる自分がいた。



