うーんと1人で悩んでいると、それを汲み取ったのか結衣が口を開く。
「次は悠太と央翔お兄ちゃんのお店に行くの!たこ焼き屋さんしてるんだって!ね、悠太」
「僕、たこ焼き食べたいっ」
「そっかそっか、2人で大丈夫?」
「うん!もう子どもじゃないもん!」
「ないもん!」
「ふふっ、ごめんね?そうだよね、結衣も悠太も楽しんで帰ってね」
ついさっき成長を感じたばかりなのに。
すぐ過保護になっちゃうのは悪い癖だね。
元気に走り出して行った結衣と悠太。
そんなところはまだまだ子どもだなと注意しながらも、大きく手を振って見送る。
「央翔お兄ちゃんかぁ……」
天馬くん。
仁奈ちゃんと藤ヶ谷くんに背中を押されたのに、まだ天馬くんを誘えていない。
もう当日だっていうのに。
休憩を挟んで前半後半のシフトが入れ替わる時間までもう少し。
休憩になったら天馬くんのこと探しに行こう。
勇気出すって決めたんだから。
仁奈ちゃんの優しさと、藤ヶ谷くんの想いを無駄にしちゃいけない。



