その後もお客さんが途絶えることなく、小さな列が廊下にできるほど大人気。
さっきまでは写真を撮られるのが恥ずかしいと思っていたけれど、記念撮影をしていたのはわたしだけじゃなくて、みんなそれぞれのお客さんと撮っていた。
友達、同じ部活の後輩、家族。
動物のコスプレをしたこの格好も可愛いと人気で、知り合いかどうかにかかわらず、お気に入りの動物の子と写真を撮る子もいたくらい。
わたしもそのうちの1人で、いくつかのグループと写真を撮っていた。
「初花おねーちゃーん!」
少し落ち着いてきた頃、聞き慣れたわたしを呼ぶ声がした。
一緒に仲良く手を繋いでいる結衣と悠太。
「2人とも来てくれたの!?」
お母さんたちは仕事で2人だけで来るのは不安かと思って伝えてなかったんだけど……なんで?
「央翔お兄ちゃんがおいでって言ってたから!」
結衣の口からは、予想外の人物の名前が出てきた。



