「お待たせ」
「お疲れ、初花。早速大盛況だよ!」
丸いお盆を抱えた仁奈ちゃんが、わたしにトンと肩をぶつける。
仁奈ちゃんと同じ方へ視線を向けると、廊下から見たよりも多くの人が来ていてびっくりする。
「これは忙しくなりそうだね……」
「んー、腕が鳴るね!」
接客のアルバイトをしている仁奈ちゃんは、余裕の表情。
確かにご飯時の飲食店よりはまだいいのかも。
シフトに入ってる人の数も多いしね。
わたしも負けないように頑張らなくちゃ。
よしっと自分に気合いを入れて、注文を取りに行く。
教室中を見渡すと見覚えのある姿が見えて、目が合う。
「初花せんぱーい!」
「絢ちゃん、来てくれたんだね?」
シフトが後半だったらしい絢ちゃんが、クラスの友達と一緒に来てくれた。



