「それ以上謝んないで」


「あ、ごめん……」


「ほら、次言ったら口塞ぐよ?」


「……なっ!」



目がとても真剣で。


心臓が止まりかける。


藤ヶ谷くんってこんなキャラだったっけ?



「ふはっ、そんな身構えないでよ。嘘だから」


「び、びっくりしたぁ」



ホッとしながらも、藤ヶ谷くんの笑顔につられて笑う。


今までもこうだった。


藤ヶ谷くんと同じ生徒会に入ってから、しょうもないことで笑いあって。



「ありがとう、藤ヶ谷くん」



こんなわたしを好きになってくれて。



「応援してるよ、綾瀬のこと」



本当、優しいな、藤ヶ谷くんは。



「もしアイツに泣かされたら奪いに行くから」


「ふふっ、それも嘘?」


「いや、これはホント」


「……っ」



今のわたしが言うべきことじゃないと思うから心の中にしまっておくけど。


わたしも藤ヶ谷くんの幸せを願ってるよ。


大切な生徒会メンバーの相方として。


藤ヶ谷くんのためにもわたし、頑張るよ。


本当にありがとう、藤ヶ谷くん。