衣装といっても全身というわけではなく、制服の上からしっぽをつけたり、頭に耳をつけたりと簡単なコスプレみたいなもので、小物を作ってると言った方が正しいのかもしれない。
「初花のうさぎ姿なんて、似合いすぎてもっとファン増えちゃうよ」
「いやいや、そもそもわたしにファンなんていないよ?」
そう否定するわたしに、仁奈ちゃんは深いため息をつく。
「全く、未だに自分の可愛さに気づいてないんだから」
「可愛いのは仁奈ちゃんだからね? 仁奈ちゃんのうさぎ姿の方が絶対人気だよ!」
「もー、お世辞はいらないって」
「本当のことなのにっ」
わたしと仁奈ちゃんは、同じうさぎのコスプレをする。
白いふわふわの長い耳に、ふわふわのしっぽ。
絶対仁奈ちゃんの方が似合うはずなんだから。



