子犬系男子の甘い溺愛が止まらない




「……本当に?」



それが仁奈ちゃんに言われてもまだしっくり来なくて。


なんだか夢を見ているかのよう。



「初花のお家の事情も知ってるから気持ちもわかるけど、恋って苦しいけど楽しいことなんだよ。だから、その気持ちに1回素直になってみてもいいんじゃないかなぁ」



仁奈ちゃんは、わたしの思っていることをなぜかわかってしまう。


わたしが今、不安に思っていることも。


本当にこれが恋だったとして……いつかお母さんのように裏切られる日が来るんじゃないかとか。


お母さんのようにわたしはあんなに好きな人のことを想えるのだろうかとか。



「何かあった時はわたしが慰めてあげるし、上手くいった時はわたしが一番近くで見守ってあげるよ」



仁奈ちゃんがいるだけで、すごく心強い。


だから、一度だけ……信じてみようかなって。