「あぁーっ、疲れた!」
「お疲れ様、仁奈ちゃん」
「なんでそんなに初花は平気そうなの!?」
……そんなこと突然言われても。
今日は3年生最初の授業日。
確実に授業の難易度も上がって、その上春休みで勉強から離れていたブランクもあり、疲れてしまったらしい。
お昼休みになってすぐに、お弁当を持ってわたしの机まで来た仁奈ちゃんは、そのまま倒れ込んでいた。
「バイトの方が余程楽だよ?」
仁奈ちゃんは極度の勉強嫌い。
かと言って成績が悪いわけではなく、夢に向かって頑張っている。
バイトに行っているのも、その夢を叶えるために大学進学の資金を自分で貯めているんだとか。
そんな努力家の仁奈ちゃんを尊敬する。
わたしは、将来のために大学には行きたいと思っているけれど、これといった夢はまだないから。