「……?」
ツンツンと制服の裾を引っ張られて、振り返ると悠太くんがいた。
「風邪うつったら困るから、あんまり近づかない方がいいよ?」
そう諭すも、悠太くんは首を横に振る。
「どうしたの?」
「お薬の箱はこれだよ!」
はいっと次に手渡してくれたのは、薬箱。
中には風邪薬も入っていた。
きっとこれも風邪をひいてしまった時に使っているのだろう。
「お姉ちゃんが起きたら渡してあげよっか」
「うんっ!」
どうやら悠太くんは少しずつだけど、心を許してくれているらしい。
「お姉ちゃんの様子みて戻るから、先に結衣ちゃんと下に戻っててくれる?」
「うん、わかった!」
「お兄ちゃん待ってるねー」
本当に素直でいい子たち。
さすが先輩の妹と弟だ。



