おぶっていた先輩をベッドに寝かせて、布団を被せる。
すっかり先輩は眠ってしまっているようで、起きそうにない。
「だいじょーぶ?」
ドアの外からひょこっと覗く、結衣ちゃんと悠太くん。
きっと、先輩のことが心配なんだろう。
「今眠ってるから、多分大丈夫だよ。2人とも優しいね」
先輩に似て、とてもいい子たちだ。
「……? どうした?」
ずっと結衣ちゃんの後ろに隠れていた悠太くんが、手に何かを抱えて恐る恐る僕の方に近づいてくる。
「これ、僕がお熱出た時に使ってるの」
悠太くんが渡してくれたのは、冷えピタシート。
おでこに貼るとヒンヤリするあれだ。
「持ってきてくれたの?」
しゃがみこんで目線を合わせてそう聞くと、小さく頷いた。
「ありがとう、助かるよ」
冷えピタシートを受け取って、先輩のおでこに貼る。
ヒンヤリとするせいか、「んんっ」と声を漏らしていたけれど、どうやらまだ夢の中らしい。



