天馬くんは、何度もわたしのことを呼んでくれてたみたいなのに、申し訳ない。
もっとしっかりしないと。
コピーを頼んでいた資料は、頼む前にホチキス止めまでしてくれていた。
生徒会に入ってもう半年くらいになり、仕事内容も覚えてくれたみたいで、指示がなくても動いてくれることもある。
気が利いて、助かるなぁ。
「本当に大丈夫ですか? 綾瀬会長、すぐ無理するから」
「心配してくれてありがとう。大丈夫だよ!」
何度そう答えても、天馬くんは納得のいかない様子で、ずっとわたしに心配の眼差しを向けていた。
「あっ……」
そろそろ時間だ。
打ち合わせのために職員室へ行かなくちゃ。
「もし長引いたら各自で解散してね?」
場合によっては、打ち合わせが活動終了時刻を過ぎてしまうことも多々あった。
お家で待っている結衣と悠太のためにも早く終わらせたいけれど。
こればかりはどうなるかわからない。
みんなが時間通りに帰れるよう、一言残して生徒会室を出た。



