「あっ、初花先輩はここで待っててください!」
コテージに入ると、何故か絢ちゃんに玄関先で止められた。
なんでか理由がわからず、頭にハテナを浮かべたまま言われた通りに玄関先に立ちつくす。
「綾瀬会長ー!来てくださーい!」
次は天馬くんに呼ばれた。
呼ばれたはずなのに、中は真っ暗のまま。
目が暗闇に慣れていたおかげで何とか壁にぶつからずにリビングまでたどり着くことができた。
「みんな一体どうした───」
「初花先輩っ」
「誕生日おめでとう(ございます)!」
パンっと音がなったかと思えば、明かりがついて、目の前にキラキラとした紙が舞い落ちる。
6人がけの大きな食卓テーブルの上には、美味しそうなショートケーキ。
ホワイトチョコのプレートには、"綾瀬会長 HappyBirthday"の文字。
そして、1と8のロウソクが刺さっていた。



