徐々に花火に火が回ってオレンジの丸い光が出てきたかと思えば、パチパチと音を立てて暴れ出す。
線香花火の最中は、そよ風でさえ敵に感じてしまう。
動かないように、動かさないように。
そう思えば思うほど、手が震えてしまうのはなんでだろうか?
「あっ」
初めに落としてしまったのは島元くん。
「ふふっ、やっぱり落ち着きのない煌牙が一番……って、ああっ!」
「俺をバカにした罰だ」
集中力が欠けてしまった絢ちゃんが2番目。
「あー落ちちゃいました」
続いて穂乃実ちゃんが3番目。
わたし、今日はなかなかいいんじゃない!?
───そう思った矢先。
「……あーっ」
そんな余裕を見せるとすぐにこれだ。
「初花先輩……難しいですよね、線香花火」
絢ちゃんの言葉に深く頷いた。



