子犬系男子の甘い溺愛が止まらない




気を取り直して、みんなで手持ち花火。


勢いよく飛び出す花火だったり、途中で色が変わる花火だったり。


中でも7色に変わっていく花火は特に感動した。



「やっぱり最後は線香花火ですよねっ」



じゃーんっと絢ちゃんが胸の前に広げたのは、手持ち花火の定番、線香花火。


上手く花を咲かせ続けるのは難しいけれど、やる度にムキになってやっちゃうんだよね。


……でも、未だかつて最後まで残れたことは無い。



「ありがとう、絢ちゃん」


「どういたしまして!」



1本ずつ配ってくれて、みんなで輪になりしゃがみ込む。



「僕、副会長には絶対に負けません」


「……勝手にしろ」



楽しい花火でもバチバチにライバル心を燃やしている2人。


原因はやっぱりわたしなんだろうから、何も言えないんだけれど。


「よーい、スタート!」の絢ちゃんの合図で、火をつけてじっと待つ。